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2008年9月 7日
誰もが勘違いしてること
この話の続き、というか技術的なお話。
四柱推命の命式を立てるときに、万年暦を見ると思います。
で、節入判定をすると思うのですが、そのとき使う出生時刻は以下の3種類のどれかになるはずです:
1. ふつうに日本標準時(何も補正していないもの)
2. 地方平均太陽時(場所の補正だけしたもの)
3. 視太陽時(場所+均時差の補正をしたもの)
では、どれで比較するべきでしょうか、というのが今回のテーマです。
実は、正解は何も補正していない日本標準時です。
理由は、万年暦に記載されている時刻が日本標準時だから、それ以外の時刻系では比較できないため。
ここまでは簡単なお話。では、ソフトを使った場合はどうなるでしょう。
節入の基準である24節気は、(現代天文学では)太陽の地心視黄経が15度の整数倍になったとき、と規定されています。で、太陽の地心視黄経は面倒なことを一切吹っ飛ばせば、地球の重心(+地球自身の微妙な運動による座標系の回転運動)から計算するものなので、地球上どこであっても同一時点での太陽視黄経は同じ値をとります。
そして、時刻の引数ですが、本来は地球時(ちょっと前だと地球力学時、かなり昔だと暦表時)で表現された時刻です。というか、計算式 or データで使われている時刻系が地球時です。なので、それ以外の時刻系を引数として計算すること自体が間違いなのです(ただ、ひとつだけ例外があります――最初から協定世界時を引数としたものがあるんです)。ここら辺は位置天文学の本にきちんと書いてあるはずなのですが......。
というか、視太陽時を引数にして太陽視黄経を計算して位置情報を使うんだったら、測心位置の方がより正しいと思うのですが、というのがこの話の中身。
投稿者:astsakai 2008年9月 7日 07:40