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2017年4月27日

「個性心理学は心理学ではない」について。

<2017/05/25追記>
この投稿に限り、アルゴリズムに共通性が多く見られることもあり個性心理學研究所が使用している「個性心理學」とISD個性心理学協会が使用している「ISD個性心理学」をひっくるめて「個性心理学」と表現しています(厳密に言うと私が知る限り1か所だけ違いはありますが)。それ以上の他意はありません。
<ここまで追記>

えー、運命学的性格類型論研究をいまでも続けておりまして、最近では「生年月日には何が書かれているか」という視点から洋の東西を問わず手を出している始末でして。

確かに現代科学の視点では「生年月日は偶然の結果」なことはわかりきっています。ですが、私が出産予定日を数週間も前倒して数字の並びからして超特徴的な生年月日に生まれてきたこともあり「生年月日には何かある」と思っています。

それはさておき、あえて今回のテーマ:「個性心理学は心理学ではないとは100%言い切れない」。

まぁ、個性心理学(をはじめとした四柱推命ベースの運命学的性格類型論)のアルゴリズムを知っている私からすれば個性心理学が社会科学としての心理学ではないのは自明なのですが、ある事情(最後にお話しします)からちょっと書いてみることにします。

まず用語の定義から。「基準関連的」とは(超ざっくり説明すると)ある条件に見合った集合とその補集合の「特徴」の違いを論じてみる、というもの。性格検査ではMMPIで使われている概念だったはずです。

あくまでこれは私見ですが、生年月日に依拠する性格類型論はだいたい(?)基準関連的に作られています。生年月日を占術というフィルターで分析し、共通項を持った集合とその補集合の「特徴」の違いから性格や能力の差異を見ていこう、という立場から作られています。なので、統計学とも言えないし心理学とも言えないのですが、「心理尺度を作る過程的」くらいは言えるでしょう。ただ本当に統計学を使って優位判定をしているかどうかまではさすがに論文を目にしたことはありません。そもそも発達心理学上のライフサイクルとは異なる「人生の波という名の運気」を読み解こう、という時点で心理学では扱えません。運気を扱えるのは占いだけです。

なので、これも私見ですが運命学的性格類型論だけでカウンセリングを行うのは無理があります。どうしても、というならやはり最低限の心理療法の知識は持っているべきですし、当然ながら『カウンセリングの理論』『カウンセリングの技法』は目を通しておくべきでしょう。私自身いろんないきさつで何種類かの民間カウンセラー資格を持っていますが、やはりカウンセリング心理学や心理療法のセクションはありましたし(講座受講の前に心理学の基礎知識を問う試験を課すところもありました)、一応カウンセリング心理学や心理療法に関する書籍は目を通しています(たとえばこちら)。

しかし、ほかの性格類型論でカウンセラー資格を発行している団体はそのあたりの繊細さをどう扱っているのでしょうね。
いくつかの情報は目にしているのですが、性格類型論の理論の詳細な話はしても心理療法などカウンセリングに最低限必要な知識の説明をしていないところがほとんどではないでしょうか(というわけで反例があったら提示してください)。

占いなら「言い切り、当てはめ」してもいいのかもしれません(カウンセリング心理学の知識があるほうが望ましいのは言うまでもありませんが)。ですが、性格類型論ではそれは通用しません。自分が依拠している理論が既存の心理療法に対してどのような位置関係にあるのか、どのようなかたちでシナジー効果を出せるかを常に自問自答すべきだと思います。

ただ、性格類型論が「心理学」とつい言ってしまうのはその来歴に原因があるのかもしれませんね。「個性心理学」で考えると4世代前のもとネタを作った方は京都大学で心理学を研究し、独自のタイプ論を構成する一方で四柱推命の研究でも有名になってしまった方ですから。ちなみにこのもとネタも起源をたどると明治時代にまでさかのぼれるのですが、これについてはサイトのほうに譲りましょう。

で、最後の「100%心理学でないとも言い切れない」理由なのですが、文字列としての「個性心理学」を完全に否定すると日本大学文理学部心理学科の立つ瀬がなくなるのですよ。設立過程そのものを否定されてしまいますから。この件については「日本における人格心理学の源流 : 渡邊徹生誕百十年を記念する」もお読みいただけるとなおわかりやすいかと。

投稿者:astsakai 2017年4月27日 10:20